守口市議会議員の服部です。
今日は議員研修会でした。
関大の河田恵昭先生による防災の講話。
私も関大出身なので、なんとなくうれしい。
非常にスリリングかつラディカルな語り口で、興奮しながら聴くことができました。
学生時代、わりといろんな特別講演に喜び勇んで聴きに行って、結局、ジャーゴンと諧謔のみの2時間だった……というような苦い経験を繰り返したものでした(そこに横たわっているのは「有名な先生の講義を聴いたという学生の自己満足と自慢」のみである)が、今回は、「すげー! おもしれー! 俺ももっとラディカルに生きよう!」と心底思わされました。
なんといっても、ずばっと言いたいことを言う先生の姿勢にカタルシスを感じた。
なかなか気を使ってひ弱になりがちな議員にとって、あこがれを感じる姿勢でした。
質問の時間があったので、「先生は、自民党政権時代・民主党政権時代と、長きにわたって危機管理に携わっておられる。民主党政権に代わって、そろそろ相対的かつ冷静な政権評価がなされても良い時期であると思うが、メディアは分析的ではないことしか垂れ流さないし、私のように無所属の地方議員には実態は見えない。双方を見てこられた先生が感じられたことを教えていただけませんか」という旨の質問をさせてもらいました。
これに対して、非常に丁寧なお答えをいただきました。
「自民党よりは民主党のほうが真剣に会議に参加していた。ただし、手法の手際は民主党のほうが悪いと思う。ちなみに小泉は全然やる気がなかった」というような旨の答えが返ってきた。
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質問をした後、先輩議員に「ダメだぜ。守口市にほかの都市からも来てもらっているんだから他市の議員さんが先に質問するのを待つのが礼儀だぜ」と教えてもらいました。
なるほど。
確かに、わざわざ守口市に足を運んでもらっているのだから、他市の方を優先するべきでした。
ちなみに、先日行政視察で岩国と熊本に行ったのですが、そのときも、熱くなりすぎて、かなり糾弾するような言い方で熊本市の職員さんにあれこれ質問してしまったのです。
これも、非常に失礼な行為で、あとで、「他市に研究に呼んでもらっている立場なんだから、もっと冷静に質問しなきゃだめだぜ」とたしなめてもらいました。
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河田先生の講演の覚書。
・津波は、淀川の決壊ではなく、大阪湾側の海の水が都市部を経てやってくるほうが危険
・大阪の地下鉄には水門がないので、極めて危険。だから、地下鉄運賃を下げるのは、むしろ安全確保の予算が取れなくなるので、子ども手当と同じように選挙対策にすぎず、愚の骨頂
・咲洲庁舎が危険なのは明白。そんなところの近くに、5万人も人を住まわせていること自体が問題
・長い間地震が起こっていないから安全なんてのはうそ。地震が起こっていないということは、力が蓄積しているということ
・江戸幕府は、何も維新の志士たちや黒船の影響のみによって討幕されたわけではなく、当時、連続して起こった大規模地震で幕府の力がガタガタに弱ってしまったのが大きな要因である
・庭窪が例えば、大きなくぼみを意味するように、守口はもともと湿地帯なので、水はけが悪い。
・大阪は、東京などに比べて焼夷弾が落とされた数が戦時中少なかったので、古い木造建築が多く残っている(京都も)。なので、地震の結果、がれきが出やすい。そういう危険性の高さで言えば、東京よりもずっと危険かもしれない
・梅田や難波は、水深4メートルぐらいの位置にあるので、津波が来たら、確実に水面下に沈んでしまう
・ 危険というものは、周辺部から中央へと突き進む
・災害の確率は、過去の確率ではなく、「いま、どれぐらい起こりうるか」という変動する数値で考えるべき。そういう意味では、最近は地震が連続している
・政治家のメディア向け劇場型パフォーマンスが、世の中を堕落させていく
・東北大震災での被災地では、役所などの人員不足で復興や救助が遅れた。人員削減というのは昨今の流行だが、いざという時の危機管理対策の視点で言えば、むしろ削減してはならない。
といったところかな。