雑記君。
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最近エリック・クラプトンを真剣に聴きたくなっている。
僕は高校生ぐらいのころ、クラプトンをよく聞いた。
当時ちょうど、ピルグリムというアルバムが出たころだった。
意外に知られていないかもしれないが、エヴァンゲリオンの貞本が表紙を描いている。
今日友人にこのことを話したら、「ピルグリムファーザー(最初にアメリカ大陸に渡ってきた白人たち)のことをうたってるの?」と問いかけられた。
残念ながら、単なる愛の巡礼だった。
大学生のころは、大阪城ホールでやっているコンサートに行った。
リヴァーオブティアーズという曲の内容が、当時はやっていたポール・オースターの小説のようだと思っていたら、ラジオで評論家が同じことを言っていた。
幸福な季節だった。
交通事故をして、入院した時、クラプトンのCDをMDウォークマンに入れて(IPODなんてない時代だった)ずっと聞いていた。
それから、しばらく、ずっと聞いていなかった。
先日、久しぶりに「ピルグリム」を聴いて、力をこめない自然な歌い方に、心打たれた。
もう一度、真剣に、かつてよりもずっと真摯に、クラプトンが聞きたくてたまらない。
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チャンドラーの「プレイバック」が気になって仕方がない。
変な小説だ。
スリラーだが、謎解きなんて、どうでもいい。
そこにあるのは、中年男の諦観と鬱憤とうんちくのない混ぜた、嘆き節。
そして、延々と続くヒスパニッシュ系の郊外都市の風景描写だけだ。
恐ろしく、寒々しくて、悲しくて、それでいて日常的ですらある。
チャンドラーは、この最後の小説で、どこへ行こうとしていたのだろうか。
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ヴォネガットの「スローターハウス5」をやっと読んだ。
なかなか胸に来る小説だ。
低俗で、真剣で、骨太で、悲哀に満ちている。
現実を現実らしい滑稽さのままで別の方法で描くと、それはSFになるのだ。
SFだけど、文芸作品としてどうぞ。
これぞあるべきライトノベルの姿じゃないか?(文体が読みやすいという意味で)
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ミヒャエル・ハネケの映画「隠された記憶」。
劇場公開時に見てから、5年以上たつのに、忘れられない。
「カフカの城」も、記憶に鮮明にとどまっている。
すごい監督だなぁ。
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題名に特に意味はありません。