はっとり浩之オフィシャルブログ

2011年11月1日

ビートルズの良さ

カテゴリー: 未分類 — hattori @ 12:43 AM

最近しみじみ、ビートルズは良いと思う。

これも大人になった証拠だろう。

僕の周辺にいる音楽好きの人間の大抵が、ビートルズ派とローリングストーンズ派に分かれている。

僕自身、高校生のころは、ビートルズが嫌いで嫌いで仕方なかった。

ビートルズがあまりにも有名すぎて、ルックスもアイドルっぽすぎて、ビートルズ好きというと子供っぽいイメージがあった。

だから、背伸びする気持ちで、エヴァリーブラザーズやストーンズ、アニマルズ、ヴァニラ・ファッジ、ムーヴ、キンクス、ザ・フー、サーチャーズ、ビージーズなんかを聴いていた。

マイナーなものや不良っぽいのが格好いいと思っていたのだ。

でも、今、29歳になって、「ビートルズの音楽ってどう?」と問いかけられたら、即座に、「(黒人の初期R&Bをとりあえず置いておくと)すべてのロックの基本だね」と答える。

そして、「すごく聴きやすくて、そのうえに深みがあって、しかも最高に前衛的だよ」と答えるだろう。

そう、僕は、歳を取って、ビートルズが前衛的だと胸を張って言えるようになったのだ。

実は僕は高校生のころ、「サージェント・ペッパーズ・ロンリーハーツクラブ・バンド」(ビートルズの後期のサイケなアルバム)に夢中になっていたので、ビートルズが本当は前衛的だということを知ってはいた。

でも、なんだかそれを認めるのが悔しいような気がして、口に出して言うことができなかった。

ビートルズが、とても「深い」音楽だと確信するまでは、結構長い時間がかかってしまった。

反戦の意義から、ジョン・レノンに夢中になった大学生時代、ジョンのソロのあの、フィル・スペクターが作り出す「ぼわぼわっとした感じ」に、ものすごい「流行に歯向かう高潔さ」を感じた。

美しいものをいったん否定した先に本当の芸術があるんだ、と教えられて、目からうろこが落ちる思いだった。

ジョンの持つ、反戦というスタイル以上に、ジョンの音楽にこそ、本当の反抗を感じた。

ジョンのソロを聴いて、そのあとに、ビートルズを聴くことで、僕は、やっとビートルズの本当のすごさを、色眼鏡なしで認めることができるようになった気もする。

ビートルズは、すごい。

ものすごく、反抗している。

ものすごく、抵抗している。

ものすごく、前衛的だ。

ぜんぜんかわいらしいお坊ちゃんたちじゃない。

ビートルズの良さについて考えるとき、ふと、いまの社会についても、考えてしまう。

僕がビートルズを、勝手に子供っぽいと思っていたように、ひとを、yふんいきでかってに判断してしまうことが多々ある。

この人は勇気がありそうだ。

この人は男らしそうだ。

この人は優しそうだ。

でも、そんなセリフのほとんどが、ろくに相手と深く付き合わずに、印象で決めただけにすぎない。

僕は、そんなのは嫌だ。

すごくおとなしい人が、ものすごく前衛的かもしれない。

無口な人が、いろんなことを思想しているかもしれない。

僕は、ビートルズが、ものすごく前衛的なんだって、恥じずに言おう。

そして、人の本当の魅力は、なかなかわからないんだぞって、自分に言い聞かせようと思う。

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