はっとり浩之オフィシャルブログ

2011年7月12日

銀のフェンス

カテゴリー: 未分類 — hattori @ 12:35 AM

あなたの頭の中の悲しみが

やがて悲しみの姿を

とらなくなって

たとえばただの動物の獣

たとえばただの

消費された電燈になったとき

あなたはどんな想いを

抱くだろうか?

あなたが若かった頃

駅構内で

唇をかんだ

あの悲しみ

あの悔しさと今

あなたを捕らえている悲しさ

について

あなたは

いかなる相対性を

論じることが出来る

だろうか

 /

白い城に雪が降る

やっと壁が

ゆらめきはじめる

 /

あなたの頭の中の悲しみが

やがて悲しみのそのものを

模倣しだして

不可思議な音階が徐々に

整理されていったら

音の長い階段が

あなたの足元でぐらつくだろうか

固まったはずの足元の

この土の泥のやわらかさ

吸収率の高さ!

そんな折には

予期されない定住者が

銀のフェンスを越えて

そこに来るだろうか

/

あなたはそれに向かい

口を開く

開かれた口は

言葉を護るだろうか

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