とある人と話して、妙に気が合うな、と思ったら、映画ファン。
七芸に通っているなんてすごくいかしてる!
僕はそんな人に出会いたかったんだ、すごくうれしい!
ゴダール、タルコフスキー、アントニオーニ、ヴィスコンティ、フェリーニ……。
夢中になっていたんだ、僕も。
今だって、パソコンのそばに、アルファヴィルのビデオを置いている。
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僕が、大学生だった頃、不意に映画が撮りたくなった。
放送祭ってのがあって、そこで自主制作映画を発表していた。
僕が脚本・主演・監督。
人手が足りなくて、自分で出演しなきゃらならないのが大変だった。
自分が映っている間、カメラの細かい指示が上手くできない。
最初に撮ったのは、ディム・ザ・ライツという作品で、ジャズに夢中だった頃だから、全編でクールジャズが流れる。
コニッツとエリントンとマーク・マーフィーへのオマージュのような作品だった。
舞台のほとんどは高槻の山奥のバス停だけど、守口の喫茶白岩、かしま時計店、堤防なんかが映ってる。
次に撮ったのが「あの連鎖」。
いろんな事件の連鎖が起こる。
誘発・連鎖に、原因があるのかどうかわからない。
そのわからなさがテーマだった。
相変わらず淀川が登場した。
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大いに頑張ったものだなぁ、と思う。
また、映画を撮りたい!
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知ってる人が多いと思うけど、僕は、高卒の状態で、小さな制作会社で働いて、その後で大学に通いなおした。
小さな制作会社で脚本家をやっていた頃、僕は本当に青二才だった。
ハートは熱かった。
触ると、やけどしそうで、それがゆえに上手くいかなかったような気もする。
僕はあの頃、言葉の美しさにしか興味がなかった。
今、僕は、ほんのちょっと歳をとって、言葉の意味合いに興味を持てるようになっている。