最近、義理や人情という言葉が心の中を舞う。
僕は、涙もろい。
困っている人、悲しんでいる人、劣勢な人を見ると、ついつい力になりたくなる。
損な性格だ。
でも、どうしようもない。
そういう血が流れているのだ。
昔は、そんな人が多かったような気がする。
だんだんと、世の中が、気楽になってしまった。
言い換えれば、深刻になってしまった。
※
真夜中の、列車が遠ざかっていく。
貨車には、積荷がある。
積荷の名前が、「郷愁」だと思っていrたら、「囚人」である。
ただの囚人。
そんな夢を見た。
恐らくは、甘美なマリー、ディランの詩にも出てくる、存在が、花飾りを髪にさして、電信柱の影で笑っていた。
彼女は、遠ざかる列車を見ていたのか。
それとも僕を見ていたのか。