はっとり浩之オフィシャルブログ

2011年2月11日

政治家の言葉は軽くなった

カテゴリー: 未分類 — hattori @ 10:58 PM

政治家の言葉は軽くなった。

本当である。

軽くなったという言い方が違うならば、言い換えよう。

定型文になっている。

定型文というのは、誰でも使える。

コピー&ペーストの世界である。

大量生産の世界である。

アウラから程遠いのである。

僕はずっと、言葉ってのは、重たいものだと思っていた。

飛翔するかしないかの薄明に置き去りにされるものこそが、本当の言葉だと思っていた。

そしてそれを、人々は掬い取るのだ、と思っていた。

思っていたのだ。

でも、どうにも最近、世の中はそうではないのだ。

安っぽい定型文が跋扈する。

そしてそれが、定型文であることに、気がつかない人々が多くなった。

多くなったのだ。

本当である。

『夕暮れを見ると、涙がでる』

と書いたのは、セントルイス・ブルースである。

僕は少年のころ、セントルイス・ブルースのはじまりの一行を耳にするだけで、胸が張り裂けそうに切なくなったものだ。

『夕暮れを見ると、涙がでる』

文章にしてみると、なんてことは無い、平明な文章である。

でもその言葉は、少年の胸を切なくさせた。

言葉の浸透力は、言葉の難しさと関係が無い。

平明な言葉で語りたい。

そして、いろんな、定型文にのっとられた言葉たちを、救い出して、解放したい。

自由の意味が、今と違ったころが、確かにあった。

I Shall Be Released と、つぶやくだけで、なんとなくそのことがわかる。

今、自由は、もう、昔の自由ではなくなってしまった。

なんとなく、そのことは、わかるのだ。

でもそのことを、僕はまだ上手く、言語化できない。

僕は、みんなに教えたい。

確かに、自由の重みが、自由の求心力が、もっともっと、違っていた頃があったこと、その頃の、自由の意味を。

沈黙に隠された本質を、掴み取りたい。

そして、とてもイノセンスな、やわらかい、心臓のようなものを、君に、見せてあげたいのだ。

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