はっとり浩之オフィシャルブログ

2011年2月4日

田舎はすばらしい

カテゴリー: 未分類 — hattori @ 8:26 PM

今日は、知人の方に誘っていただいて、日帰りの旅行に行ってきました。

途中、バスで、なかなか山深い場所を通ったのですけど、思わず心打たれました。

「あぁ、山あいってのは良いなぁ」と。

僕は子供のころ、山よりも海が好きだったのですが、大学生のころと、脚本家をやっていたころ、このどちらも、相当な田舎の山だらけの場所に通っていたため、気がついたら、山を見ると心がじわっとくるようになってしまったわけ。

今でも、いくつか、思い出すことがあります。

大学に入学したとき、バスで山道を30分以上通わねばならないことに、僕は相当辟易していました。

けれども、ある老教授が、こう言ったのです。

「君たちは、これからいくらでも都会で過ごすことができる。人生は長い。だからこそ、若い青春を、このような山奥ですごすことは、非常に大事な経験になるよ。すぐにはわからないかもしれないけど、将来、絶対にそう思う」

僕は今でも、この言葉を妙に良く覚えています。

確かに、僕は青春期を、駅から30分もバスで山道を登らねばならない山奥ですごしました。

冬の朝は一面霧で、晴れた日は食堂のテラスからは町が見渡せた。

最初のころ、そういう光景は憂鬱だったけど、何年も通ううちに、自然というもの(や、山間部独特のあの冷えた空気)に対して、深い親しみを覚えるようになったのです。

この親しみは、ただ単に、「自然っていいよね」というものではなく、体が勝手に反応するような、半ば本能的なものです。

それは、若い時代に山奥で暮らさなかったら、見に染み付かないものでしょう。

おかげで僕は、どうにも自分は、田舎の少年だという想いがいまでもなんとなくあります。

同じように、そういう、不便な学校に通っている子供を見ると、なんともいえない、暖かい気持ちになります。

そして、あれだけ不便だったのに、今は、不便な場所を見ると、妙に懐かしい気持ちになる。

毎日、山奥まで通うことで、忍耐強さもついたと思います。

でも、反面、僕は、都会のスピードが苦手になってしまったのも事実。

人と話すのも、あまり得意ではない。

正直、ゆっくりと自然を見ているほうが好きだ。

こういうのは、現代社会で戦っていこうとすると、不利な部分だとも思います。

脚本家をしていたころは、埼玉の田舎にいました。

小さな制作会社だったので、土地が安い場所に会社が立っていたのだ。

歩いて30分圏内にスーパーがひとつしかないような場所。

あの場所は、なぜか、今思い出しても寂しい。

あまりにも、仕事に追われていたからかもしれません。

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