先日、最近の世の中は、政治家もタレントもみんな口先だけになったって書いたけど、そのことをもっと書きたい。
声を大にして言いたい。
なぜ、この世の中はこんなにも、イメージングだけの世の中になってしまったのか。
みんなで雪崩を打って強いもの、大きいものの方にまかれようとする世の中になってしまったのか。
嘆かわしい。
依然、僕はこのブログで、「戦争が起こりそうなときにやれ!やれ!と煽る人は腰抜けだ。本当に勇気のある人間は、みんながやれ!と言っているときに反戦を唱えられる人間だ」と書いた。
でも、そんな単純な事実すら、理解できない人が今は増えている。
僕は昔から、メインストリームというものには絶対に屈しないでやっていこう、と心に決めている。
なぜなら、僕には根性と勇気があるからだ。
弱い人間ほど、流行や人気のある方向にすぐに組しようとする。
いじめられないですむからだ。
僕は、声を大にして言わないし、いじめられたって、さげすまれたって耐えられる覚悟と勇気があるから、中間地点からずれることができる。
先日、某雑誌が山本耀司の特集をやっていたけれど、その中で松岡がとても胸に響くことを書いていた。
「俺たちの時代は、メインストリームから外れて反骨してるのを理解できる人がいた。でも今は、口に出さないと理解してもらえない」
まったく、僕も同じように思う。
僕は常に、自分なりの考えぬいた哲学で動いている。
「それをやっちゃぁおしまいよ」という部分にだけは、乗っからないようにしている。
それは、大変に我慢強い行為だ。
でも最近は、誰もが、そんな地味な我慢強さを見抜けない。
口に出して大きなことを言う人のほうしか見ない。
審美眼が鈍っているのだ。
あるいは、忙しすぎて、よく見える部分しか見ないのだ。
世の中が、そうなってきたら、おしまいである。
世の中みんなぼけてきて、日の丸が楕円形になっている。
楕円形の日の丸の下で、そのことにも気がついていない輩どもが、大声で偉そうにアジってる。
あぁ、そんなことだろうと思ったよ。
そうさ、そんなもんなんだ。
でもね。
世の中がそうなっちゃうと、今度は政治家どもも、目立とう目立とうしちゃうんだよ。
回転木馬のデッドヒート状態になっちゃうんだよ。
エントロピーが増大して収拾つかなくなって、ヒートデス状態になっちゃうんだよ。
みんな、今からでも遅くない。
不毛な合戦なんて、無視しちまえ。
そういう馬鹿なことに加担しなけりゃいいんだ。
そしてゆっくりと、ピンチョンでも読め。
関西フォークでも聴いてろ。
いいかい?
反骨ってのは、ただたんに大声で反発するって意味じゃないんだぜ。
それは、目の前に出された餌に食いつかない我慢のことを言うんだぜ。
自分の利益を放棄する男らしさのことを言うんだぜ。
自分を苦しめることのできる男らしさのことを言うんだぜ。
※
追記。
トマス・ピンチョンってのはアメリカの作家だよ。
エントロピー理論とかヒートデス状態とかを題材にした人文科学的文学を書いたんだね。