どうにも最近、口先だけの輩が増えていないだろうか。
自分の口ででかいことを言うが、それをやったり、そのことで被害をこうむるのは結局他人、という。
そういうの。
僕は昔から、持論があって、「他人に腹を切らせるつもりなら、まずは自分の腹を切るべきだ」というね。
人に痛い目を味合わせるなら、自分も同じ痛みをまず、感じなきゃいけない。
それが武士ってもんだ。
それが、昨今はどうだ?
政治の世界を見ても、もっと小さな社会を見ても。
自分は痛手をこうむりたくない、でも他人には痛みを感じてほしい。
そんな意図が見え隠れする。
東国原が昔、「若者を徴兵したほうがいい」と言ったとき、僕は、「大いに結構。でも、あンたがまず軍隊に入ってから言いなさい」と思ったものだ。
石原の漫画規制にしてもそうだ。
「大いに結構。でもまずは自分の著作を全部出版禁止にしてから言いなさい」ってなもんだ。
消費税増税にしてもそう。「まずは自分の家財何から何まで売っぱらってから言いなさい」ってなもんだ。
今の社会はなんだか、特攻隊に行く少年を尻目に、自分はベッドにねそべって「いけーっ!うてーっ!」と怒鳴っているだけ……という風情の輩が多すぎる。
まずは自傷せよ!!それから、他人に痛みを分け与えなさい。
ビートルズは、言っていた。
愛した分の愛が、返ってくると。
痛みも一緒だ。
自分を痛めつけた分だけ、われわれは初めて、他人に痛みを与える権利をもらえるはずだ。