後援会の副会長の井上さんが、亡くなってしまった。
副会長になってくれた翌日だった。
一緒にバーに行って、「気分が優れない」と彼は先に帰って、僕は彼を見送った。
見送らずに、体調をもっと詳しく問いかけたらよかった。
「酔いましたか。大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫。ありがとう」
そんな会話が、最後の会話になってしまった。
彼は、ふらついた様子も無く、自転車に乗って行ってしまった。
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井上さんは、僕よりひとつ上の子供と、ひとつ下の子供がいるのだ、ということを、よく僕に話していた。
二人のこれからのことも心配だ。
※
井上さんとは、もっともっと、たくさんのことを話す約束をしていた。
PCのアドレスを交換し、今度ゆっくりと飲みながら話そう、と、約束していた。
それができなかった。
悔しい。