ちょっと前にも書いたけど、最近妙にアントン・カラスの演奏が聞きたくて、昔から家にある盤(中学生のときに買った)は音とびが激しいので、新星堂に新しいのを買いに行った。
そのとき、ふいにピエール・バルーの作品が目に留まって、思わずそちらを買ってしまった。
「Ichi Go Ichi E」というタイトルで、1998年の作品だ。
果たして運命なるかな、聴いていると、どうにも聞き覚えのある曲が入っている。
記憶が蘇ってくる。
そうだ、そうだった。
2000年ぐらいだったと思うのだが、僕は、ピエール・バルーのコンサートに行っているのだ。
そのときに聴いた曲が入っている。
1998年の作品なわけだから、もしかしたら、その新作にあわせたツアーだったのかもしれない。
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ピエール・バルーのコンサートは、なぜか、HEP5で行われていた。
客層は大体30代よりも上ばかりで、一人20歳ぐらいの僕が混じっていて目立っていたのか、近くで聴いていたお姉さんが「あんた、ピエール・バルー好きなの?」と声をかけてきたのを覚えている。
僕は実は、それほど詳しくはなかった。
「いや、ただ単に、『男と女』の人だと知っているだけで……」とかえすと、彼女は「ふぅん」とつぶやいて、そのあとで、ピエール・バルーについてのちょっとした説明をしてくれた。
彼が日本人と結婚していることやら、サラヴァというレーヴェルをやっていることやら。
サラヴァ、という言葉は、別に日本語の「さらば」ではなくて、何か意味があったんだけど、もう忘れてしまった。
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先日、久しぶりに、厚手の冬用のジャケットを出してきて着たら、ポケットにザ・フーのコンサートのチケットの切れ端が入っていた。
2008年と書いてある。
うわー、懐かしいなぁ。
僕も明日は、ピートみたいに腕をぐるぐる回しながら歩こうかな。