はっとり浩之オフィシャルブログ

2010年10月3日

ベンEキングコンサートの選曲から浮かび上がる、アメリカにおける黒人音楽のある種の血脈

カテゴリー: 未分類 — hattori @ 12:35 AM

今日はちょっと、お勉強と遊びの話を。

ベンEキングさんのライブ(@ビルボード大阪)に行ってきました。

ビルボード大阪は、昔ブルーノート大阪があった場所。

僕は昔、ブルーノート大阪の音響の悪さに辟易していたんだけど、ビルボード大阪に変わったときにスティーリーダンを聴きに行って、感動させられたんだよね。

今回のベンEキングも、本当に飛び込みみたいな感じ(だって、公演の1時間前にチケット予約したんだもん)だったけど、凄く楽しかった。

今日、つらかった人には、ごめんね?

僕ちゃん(僕は、自分のことを僕ちゃんって呼ぶの、好きなんだよね。安倍ちゃんの僕ちゃん内閣が流行ったとき、「お、こりゃ今後、自分のことを僕ちゃんって呼ぶの、流行るぜ」って思ったんだ。結局流行らなかったんだけどね)は楽しみました。

友達を4人も呼んだんだぜ。

俺って凄くね?

これも人望のなせる業だよね(そういうことにしておいてくれよ、リタ)。

で、ちょっと勉強になるお話しをするとね、今日のベンさんは、何が凄かったって、全方向射撃だったんだね。

俺たちは、一網打尽さ。

R&B好き、ディスコ好き、フュージョン好き、オールディーズ好き、ジャズ好き。

どいつもこいつも(黒い音楽が好きなら)みんなやられちまうような選曲だったんだ。

ちなみに、僕は、ブラコンなんて信じないよ。

あの手の、80年代以降の、新しいセクシーなブラックミュージックなんてのは、屁とも思っていない。

フュージョンとディスコまでで十分さ。

そこから後には、深い断絶がある。

えっと、なんだっけ……ウェル……そう、そうだ、ケルアックみたいに忘却していた。

長いルートの中間地点で、午睡していた。

俺は、ちょっとした勉強になる話をするんだったな。

今日はね、ベンさんのライブね、レット・ア・グッド・タイム・ロールで始まったんだよ。

50年代のヒット曲で、ジャズとR&Bの中間みたいな曲なんだ。

ティンパニー・ファイブのヒット曲だから、ジャズ畑でも通用していた人で、結局のところ、ブラックミュージックってのの源泉には、40年代までのジャズヒットの流れが、確かに血肉としてあるんだよね。

そこから派生して、もっとヒップにジャンプできるR&Bが出てきた。

そのR&Bクラシックと、オールディーズの白人ヒットも、ある意味地続きだ。

懐かしい黒人グループのヒット曲、「渚のボードウォーク」も、今日のライブで聴いたけど、コレは少し、オールディーズ寄り。

レット・ア・グッド・タイム・ロールよりも、新しい感じがする。

そして、あいだでベンはジャズソングを二曲やった。

ハート・アンド・ソウルとフォー・オール・ウィ・ノウだ。

前者は、白人ホーギー・カーマイケルの曲だけど、やや、ロックな味わいがある(オールディーズっぽい)。

後者は、ガチガチのジャズバラッド(ある意味で一番R&Bから遠くなる)。

そして、今日のライブでは、サムクックの曲や、ディスコヒット(スーパー・ナチュラル・シング。ちょっとファンクだ)もやった。

サムクックのホァットアワンダフルワールドディスウィルビーからそのまま、ユーアーマイサンシャインがつなげられて演奏された。

後者は、カントリーというか、ヒルビリーヒットだ。

すべては地続きなのだ(カウボーイに中国人や黒人がたくさんいたの、みんな、知ってる?)。

カントリーから、ジャズ・初期R&B・オールディーズ期のR&B・ディスコ・ファンク。

こういった音楽の歴史に通底する、ブラックなフィーリング。

選曲から、そういった、アメリカ音楽史のある側面というものが、浮かび上がってきた(まるで、文学史のひずみの中で、大江健三郎から村上春樹へのラインが見えるかのように)。

なかなか、文学的というか、社会学的な選曲じゃないか。

僕は、感心したんだよ。

凄く勉強になったんだ(音楽的な意味だけじゃなくてね)。

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