はっとり浩之オフィシャルブログ

2013年5月27日

新わからない節

カテゴリー: 未分類 — hattori @ 11:51 PM

先日、ごみの不法投棄をどうにかしてほしいと頼まれて、クリーンセンターに連絡を取ったんやけど、これがなかなか根本的解決が難しいんやよね。
クリーンセンターに頼んだら、不法投棄されてるごみは取りにきてくれはるけど、結局、しばらくするとまた不法投棄されてしまう。
そういう場所には「不法投棄禁止」の看板を貼ったり、警察と連絡を取って犯人捜しをしたりすることになるわけやけど、いたちごっこになる確率が高いわけ。
何か、抜本的解決策はないものか。

そういうと、確か、2001年ごろ僕は、埼玉の蓮田市で働いてたんやけど、そのころ横浜に高校時代の同級生が引っ越して暮らしていたから、休日は頻繁に横浜に遊びに行っていたんだよ。
そしたら、駅とか街中にほとんどゴミ箱がないんだよね。
俺は驚いて、「なんで? 大阪にはそこらじゅうにごみ箱があるのに」と駅員に訊いたら、「あんちゃん、そりゃテロ対策でっせ。こないだワールドトレードセンターが爆破されたばっかやないか」と答えが返ってきた。(もちろん大阪弁で答えていなかったけど)
俺はほほぉ、と思ったんだよね。
ごみ箱がなくなると、捨てるところがなくなるからかえって街中に不法投棄が増えるだろうと俺は思うんだけど、なぜか横浜の街中はきれいだった(ように思えた)。

話は変わるけど、先日、人の家に行ったら、友部正人の「にんじん」とか西岡恭蔵の「ディランにて」とか高田渡のライブ盤とかが置いてあった。
「おぉ、俺と同じような趣味!」と思って眺めていたら、「それは死んだ親父のだよ」と教えられた。
すごくいいオーディオルームがあったので、「このオーディオルームで『にんじん』を聴きたい!」と頼み込んで、かけてもらった。
至福のひと時だった。
友部正人の「にんじん」は、俺が持ってるのよりも発行が古い盤で、サエキケンゾウのライナーノートがついていた。
僕は「にんじん」の中では「長崎慕情」という曲が一番好きなのだけど、サエキケンゾウも同じように長崎慕情をほめていて、うれしかった。
このアルバムのメロディが素晴らしいということ、「一本道」という曲の「あぁ、中央線よ、空を飛び、あの娘の胸に、突き刺され」という歌詞が素晴らしいこと、など、僕が感じていることと全く同じで、「そうなんだよ!」と思わず叫び出しそうになった。

ライナーノートの趣旨。
狂騒の60年代末に発売された「大阪へやってきた」のエキセントリックで鋭い雰囲気から打って変わって、「にんじん」の寂しさを知り始めた雰囲気がいかにも背伸びをした青春らしくて、70年代の幕開けにぴったりの雰囲気だった。それまでどことなく関西ローカルの匂いがしたアングラレコードカンパニー(URC)が、友部の「ああ中央線よ、空を飛び、あの娘の胸に突き刺され」で、武蔵野や荻窪といった東京郊外の雰囲気へと移行したことも特筆に値する。なによりも、メロディが素晴らしい。「もつれた足を夜汽車にまたがせて 一晩寝ればそこは長崎」と歌いだす「長崎慕情」は、いまでも僕の胸に深く刻まれている。整備されすぎたインフラのせいですっかりと旅の神秘は消えてしまったが、こういう歌を聴いていると、また旅に出たいと思う。

サエキケンゾウは最近はワーキングとかそれ町とかの主題歌を書いたりしているので、若い人でも名前を知っているんじゃなかろうか。
古くはムーンライダースの歌詞を書いたりしてたんですよ(そういうと、「探偵はBARにいる2」で、鈴木慶一とムーンライダースの「スカンピン」が使われてるね)。
こういう、時代が変わっても活躍し続けている人ってすごいよね。

高田渡のライブ盤には「新わからない節」という歌が入っていて、これも素敵だった。
いろんな世の中の嫌なことを挙げて「あーぁ、わからない、わからない」と締めくくるのだけど、「いやだ!」「おかしい!」と言われるよりも、「わからない」と言われたほうが、強烈に頭に残るね。
今もしも歌うなら、

TPP参加の必要性がわからない
株価変動わからない
増税わからない
あーぁ、わからない、わからない

みたいに歌うことになるだろうなぁ。

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