はっとり浩之オフィシャルブログ

2010年5月29日

なんでも訊いてみようよ

カテゴリー: 未分類 — hattori @ 2:19 AM

昨日書いたこととも、繋がってくるんだけど、僕が日ごろ、今の日本の一番の問題だと思うことは、「訊きたいことが訊けない」「当たり前のことが訊けない」ということだ。

「どうしてなの?」「それをそうすることで、僕たちは具体的にどうなるの?」「それは、誰にメリットがあって、誰にデメリットがある行為なの?」そういう、根本的な問題が訊きにくくなっていて、どうでもいいような、枝葉の部分への知識ばかりが大量に提示される。

あるいは、本質をはぐらかし、「こうしなさい」と、答えらしきものだけ提示する人々もいる。

だが、「そうすると、僕たちはどうなるの?」と、尋ねることは、なかなか出来ない。

ずっと昔、ピカソの展示会に行ったときに、晩年のピカソが、「子供の心で」と語っているドキュメンタリーのようなものに接して、深く胸打たれた。

子供は、アカデミズムも、プライドもわからず、何でも尋ねる場合がある。

それが出来ないのが大人だ。

しかし、アカデミズムなコレクトアンサーや、プライドに邪魔されて、本当に本質が見えていないのは、大人かもしれない。

少なくとも、僕には、世の中のことで、たくさんの、知らないこと、よくわからないこと、訊きたいことがある。

僕は、かなり本を読むほうだと思うが、いくら本を読んでも、すべての問題に即座に答えを得られるなんてことはない。

むしろ、本を読んでも読んでも、遠回りする道ばかりが示されることだって多々ある。

しかし、少なくとも、無批判に「こうしなさい」「こうするべきだ「」という、理由を語らないマジックワードが何かの折に出てきたら、その言説には絶対に注意するべきである。

それは、誰にとって、絶対にして欲しいことなのか。

それを考えるべきだろう。

話は変わる。

D&Gが、日本から撤退するそうな。

新聞に書いてあった。

これは、結構大きな事件だな、と僕は思う。

僕はD&Gに興味はないし、D&Gで服を買ったこともたぶん一度もないけれど、D&Gを身につけている人々は、よく見る。

あれだけ影響力のあるブランドが、おもむろに消え去る場合、それは、どのような結果を、この国にもたらすのだろうか。

D&Gを好んでいた若者たちのファッションは、「D&Gに似た何かに代返される」のか「まったく違うテイストの嗜好に移行する」のか。

また、あれだけたくさんの、D&Gの従業員たちと、国内向けデザインのデザイナーたちは、どこへ行くのか。

服飾は、文化に影響を与え、文化は、心理に影響を与える。

はてさて、どういう結果が出るだろうか。

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