雑記。
たまに休憩に立ち寄る喫茶店に入ると、「コンドルは飛んでいく」が流れていた。
この店の選曲はいつも好みで、心が和む。
前に入ったときは、「スマイル」が流れていて、今日は他にも、「白い影」や「真珠の首飾り」なんて流れていた。
僕は昔、いわゆるイージーリスニングが好きで、聴きまくっていたんだけど、高校生ぐらいになると、そういうのって中身がないぜ、ミューザックだぜ、みたいな意識が強くなってきて、ロックを聴きまくるようになった。
大学生の頃は、ブルースにも共感したんだけど、だんだんもっと大人になると、そういうのってちょっと違うんじゃない?ポーズしてない?と思うようになってきた。
いわゆる、金科玉条的にとらわれるブルースの、「俺はつらいぜ」っていう姿が、そういう自分に酔っているポージングに見えてきて、そういうのって、違うじゃん、やっぱまだ、ポールホワイトマン楽団の「ミシシッピマッド」のほうがいいよ、ってな気持ちになってきた。
そういう気持ちになると、やっと僕も、日本の曲も聴けるようになってきて、大学生の頃に、細野晴臣にすっかりとはまってしまった。
細野は、坂本龍一とYMOで一緒にやっていたけど、やはりかなり性質が違うと思う。
僕が勘違いしているかもしれないけど、やっぱり細野は、どこか音楽に遠慮しているところがあって、洋楽っていうものに対する恐れがすごく強いと思う。
基本的に、細野のスタイルって、『洋楽』に対して、「日本人でも、こんなにオルタナティヴな、面白いものを提出できるんだぜ」っていう気概があるように思われる。
僕は、そこがむしろすごく好きで、細野が、トロピカルやったり、ピストルパッキンママ歌ったりすると、僕も、子供の頃からそういうのが好きだったから、すごく共感するんだけど、逆に坂本龍一には、そういう恐れが感じられなくって、人によっては、「なんだこのピアノ」っていうようなスタイルで、平気で弾いて、出しちゃう。
そこが、でも、世界の坂本のゆえんなのだろう。
坂本龍一がアレンジを担当した、南佳孝のアルバムに、「サウス・オブ・ザ・ボーダー」ってのがあって、これはすごく良い。
僕の愛聴盤だ。
なんともいえない、独特の雰囲気があって、たまに聴くと、すごく良い気分になる。