はっとり浩之オフィシャルブログ

2010年5月27日

言葉の壁、愛の橋

カテゴリー: 未分類 — hattori @ 12:58 AM

何かを口にするとき、僕は、必ず恐れが付きまとう。コレクトなアンサーに近い範囲の言葉を、発することが出来ているだろうか、という恐れである。だけど、最近、ふと考え直して、世の中には、コレクトなアンサーなど、存在しないのではないか、と思うようになった。僕が、ある物事に対して、あることを感じたなら、そして僕が、ふざけていないなら、そこには、僕の経験から培われた、僕なりの、ある視点が立脚しているということなのだ。僕は、アカデミズム/反アカデミズムという、単純な二項対立からはみ出すことを恐れすぎていたのではないだろうか。二項対立では語れない、他の視点が、必ずしも、批判されるべきではありえない。僕は、もっと、様々な言葉を、自由に、『ある視点』として、素直に、語るべきではないのか。 と、思い、例えば、とあるラウンジミュージック集について、「これは一種のジャズだ」といいたくてたまらないけど、きっと、その発言の意味がわからない人たちから非難されるであろうことが、怖くて何も言えない僕がいる。本当は、戦前のジャズの流れから、イージーリスニングは派生しているといえなくもないし、カクテルピアノ的なものから、ムード音楽、ラウンジ音楽にも、系譜は繋がる。そういう、モダンジャズとは違うジャズのことを、僕は語っているのだが、きっと、理解しない人たちはたくさんいて、僕を非難するだろう。そう思うと、やはり、『いい子』でいたくなる。僕の口は、カタツムリのように閉じる。

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