はっとり浩之オフィシャルブログ

2013年9月17日

時の流れに

カテゴリー: 未分類 — hattori @ 2:34 AM

昨日、なんで急にポエムみたいなのを書いたかっていうと、実は2週間ほど前に、古い友人と飲み会があったんだよ。
めったに一緒に飲んだりする相手じゃなくてね、本当に何年ぶりだろう、って感じのメンツだったわけ。
で、古い友人が3人来たんだけど、そのうちの一人(友人A)が、むかしは結構細くて格好良かったのに、本当にただのおっさんって感じになってしまっていたのね。
一方で、むかしはあんまり冴えなかった感じだった友人Bは、妙にオシャレになっていて、高そうなスーツを着て、良い時計をして、おしゃれな髪形にきめて、エリートサラリーマンって感じに変貌していた。
その、おしゃれになった友人Bが、おっさん臭くなった友人Aに言うんだよ。
「お前さぁ、マジダサくなったなぁ、ただのおっさんじゃん、やべぇよ、ぎゃはは」って。
こう、見下すような、さげすむような感じでさぁ。
で、友人Aは、「いや、俺だってさ、こう、やばいって感じはあるんだけど、今の職場がさ…」と、うつむく。
「職場ぁ?職場がなんだよ」
「いや、俺、営業でさ、一日中、汗だくなって、外回りしててさ、わけわかんないやつらにペコペコペコ、頭下げててさ、そういうの繰り返してたら、なんか、おしゃれとか、どうでもよくなってきちゃって…」
「そんなん、言い訳だろ」
「でも、実際、おしゃれなスーツとか来てたり、きめた髪型してたら、相手から敬遠されるんだよ。偉そうだとか、舐めてるとか言われるんだよ。できるだけ、安っぽいアクティブな格好のほうが、相手に好かれるんだよ」
「なんだよ、それ」
「マジなんだよ。それに、すっげー付き合いの飲み会が多い部署でさ、ビールとかばっか飲まされるだろ、そしたら、どうしても太ってくるしで、どうしようもないんだよ。仕事終わったあとはさ、イライラして、一人で家でまた缶ビール飲んじまうことも多いし」
「何がそんなにイライラするってんだよ」
「うちの会社、いつ潰れるか、わかんねぇ感じなんだよ」
そこまで聞いて、友人Bは、「それでストレスってか、馬鹿かよ、お前」と、吐き捨てるように言った。
「マジでだせぇな。終わってるわ。かっこ悪すぎ。自己管理できてないだけじゃん」

俺は、そんな友人Aと友人Bの会話を聴いていて、なんか、こう、腹の中に溜まってるものがあったんだ。
怒り?に似た感じ、なのかな。
確かに、友人Bが言い捨てるように「自己管理の問題」と言ってしまえば、それで話は終わってしまう。
でも、それで本当に良いんだろうか?
そもそも、友人Bには、そんな風に相手を一刀両断にジャッジできるだけの資格があるのだろうか?
というのも、友人Bは、半官半民のような会社に勤めていて、「デスクワークの決まった作業ばっかで仕事内容は楽だし、残業もほとんどないからうらやましいだろ」と、自慢げに豪語していた直後だったからだ。
小さな会社に勤めて、毎日営業で外回りをして、そのあとで仕事の延長線上の飲み会を繰り返さねばならず、会社がつぶれるかどうかわからないことに日々おびえている友人Aの状況は、友人Bのものとは、厳しさにおいて、いささか違っているのではないのか。
友人Aと友人Bが、同じ職場の同じ業務をしているなら、友人Bが友人Aを批判した内容は、正しいかもしれない。
だが、友人Bは、友人Aの仕事とは全く違うことをしているのだ。
想像力が足りないんじゃないのか、と、俺は、結構イラっとしたものを感じた。
もちろん、友人Bにも、いろいろと苦労はあるのかもしれない。
しかし、そこまで偉そうに友人Aを罵倒するべきなのだろうか?
自分は、安全な場所にいて、他人の批判をしているだけじゃないのか。

その日の帰り、友人Aと友人Bは、別の路線なので、駅前で別れて、路線が途中まで一緒の友人Cと、電車の中で語りあった。
俺は、先ほどの友人Aと友人Bの会話のことを挙げて
「Bは、ずいぶん嫌味な奴になったなぁ。そう思わないか?」
と訊いた。
友人Cは
「う~ん、確かに、偉そうになったかもしれないが、でもあいつ、女にもてるらしいぜ」
と言った。
「そうなの?」
「あぁ。俺、一度一緒に合コン行ったんだけど、人気あるよ」
「あんな、他人を見下したような態度で?」
「いや、そういう時は、にこやかにしてて、必要以上しゃべらず、おとなしい感じにしてるんだよ。そしたらさ、おしゃれで、しかも優しそうな男子って感じに見えるじゃん、あいつ」
「じゃ、Aは?」
「いや、あいつはモテないだろう。普通におっさん臭いし」
その時、向かい車線に電車が通り過ぎて、それを機になんとなくおれたちは、黙った。
俺は、それ以上、AとBのことは話さなかったけど、なんだか、理不尽な気持ちが、心の中に残った。
俺がもし女なら、華美な恰好をして、他人を批判してばかりの男よりも、ダサい恰好をしていても、毎日汗だくになった働いている男の方を、選びたい。
でもそれは、俺が男だから思うことなのかもしれない。
俺がもしも、本当に女だったなら、やはり、見た目で相手を判断してしまうかもしれない。
そういうものなのだろう、きっと。

そんなことがあって、なんとなく、なにか書きたいなと思っていて、昨日ふと、ポエムを書いてしまった。
テーマはもちろん、『そんな、もてない男を応援したい』だ。

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